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市民地質学者が地球に関連した話題を中心として様々な話題を提供するブログです.
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古くからの友人のNさんから,「新しい温泉学」についての膨大な資料が送られてきた.
体調のすぐれない中,命を削るようにして書かれた資料である.
学問に対するこの真摯な姿勢には本当に頭が下がる.

連休を利用して,全資料を読んだ.
Nさんが提唱している従来の定説を覆す「裂か型貯留層モデル」には目から鱗が落ちた.
地震発生後の温泉の湧出量の変化の説明にも納得した.
いずれ,私のブログでもきちんと紹介して行きたいと思う.

権威や世俗の欲を度外視し,虚心坦懐に自然を観察し思考を徹底的に働かせることが真の学問の進歩にとっていかに重要であるかを,再認識させられた.
私もいつの間にか63歳になってしまったが,Nさんが私よりも先輩であることを考えると,ここで初心に返らなければと思う.

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サイエンスに正面から携わり,それを楽しむためには,自由な精神が必要だと言うことを再認識させられる本である.
しかし,私の周辺でも現実はそれとはほど遠いことが多いと感じている.
能力とチャンスに恵まれた者のみに許されたことなのかもしれないが,この日本においても研究の現場である大学でこの基本的な精神は意識されなければならないのだと思う.

本書の中で,8章「チャレンジャー」と10章「死ぬ」ことが興味深かった.

8章では1986年に起こったチャレンジャー号の爆発事故以後の調査委員会におけるファインマンの活躍を紹介している.
産・官・軍のそれぞれの思惑の中で,純粋に科学的立場から爆発原因を追及していく姿には感動すら覚える.
振り返ってみると,福島の原発事故の原因調査でも状況は同じなのかもしれない.
科学者の国家的事業への関わり方について学ぶところの多い一つの例だと思う.

10章は,ファインマンの臨終の紹介である. だれでもいずれは迎える臨終だが,こんな迎え方もあるのだと考えさせられた.

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8月26日の茨城新聞にのった記事.
地域情報を一体的に提供するために,行方市がポータルサイトを立ち上げるとのこと.
このサイトは行方市と「フューチャーリンクネットワーク」が共同で運営し,来年度以降は同社が自律的に運営を目指す.
行政,企業,市民活動などの情報を一体的に掲載するポータルサイトに成る予定である.

茨城県北ジオパークについては,現在,公式のウェブサイトにより情報を提供している.
しばしば指摘されてきたことであるが,県北ジオパークのメンバーである各市町村やインタープリターなどの情報が機能的に連携していない.
この問題を解決するための,一つの手としては茨城県北ジオパークが運営するポータルサイトの設置は検討の価値がある.

茨城県北ジオパークの問題点として,情報発信力の弱さがいろいろな方面から指摘されている.
早急に検討してみたらどうだろうか.

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研究室の引っ越し,学生さん達のお手伝いでなんとかめどが立ってきました.
ロッカーの中に大量のカセットテープを発見しました.

その中に,1985年4月2日に録音された「故北村信東北大学教授の講演」というテープがありました.
このテープの存在は完全に忘れていました.

北村先生は,私の卒論から博士論文までの指導教官でした.
亡くなられてから大分年月もたち,先生のことを思いだすことも少なくなっていました.
このテープの中で,先生のライフワークである東北日本のグリーンタフの研究について語っています.

最近,東北日本のグリーンタフについて根本的に見直し新たな展開が必要であると考え,博士のH君と研究を展開し始めたところです.
21世紀の地質学,特に新しいフィールドジオロジーの発展のためにも重要なテーマがグリーンタフであると信じてのチャレンジです.
近年,フィールドが嫌われる学会の傾向の中での,チャレンジでもあります.
真っ正面から地質学に立ち向かおうという意志を示そうとも思っています.

お盆も終わったこの時期に,このようなものが転がり出てきたことに感慨無量です.
原点にもどれということかもしれません.

あちらの世界から応援歌が届けられたと思っています..
まさか,お迎えのご挨拶ではないでしょうね・・・




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私が学生のころの大学の講義は,実におおらかなものであった.
休講も多く,学生はそれに対して文句を言うことも無かった.
黒板には一言も書かず,プリントも無く,教員がひたすら話すといった講義も結構あった.
1年生の第一回目の講義にいきなりシュレジンガーの波動方程式が出てきて,ただただびっくりしてしまったことも覚えている.

最近は,大学の講義に対する要求も高くなっている.
シラバスは学生との間の契約であるから,その通りに講義は展開されなければならない.
分かり易い組み立てをせよ.
当然だと思う.

しかし,時々思うことがある.
それは,昔も今も変わらないこと.
それは,良い教育は,学問に対する真摯な姿勢を持った教師と,学問へのモチベーションと主体性を持った学生が出会うところで成立するということである.
最近,これが成立していないと感じ,いらだつことが多い.

「最善の教育というものは,いい学生といい教師との間に,直接の特別のつながりがある場合-学生が考え方を論じ,ものごとについて考え,ものごとについて語る-そういう場合にのみ可能だということを認識するほかはないと考えている.」(ファイン物理学Ⅰ ファインマン序)

お盆すぎには,心機一転,がんばろう.

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プロフィール
HN:
天野一男
性別:
男性
自己紹介:
☆茨城大学名誉教授
☆東京大学空間情報科学研究センター・客員研究員
☆日本大学文理学部自然科学研究所・上席研究員
☆一般社団法人日本地質学会理事,ジオパーク支援委員会・委員長, 
 技術者教育委員会・委員長
☆茨城県北ジオパーク推進協議会顧問
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