忍者ブログ
市民地質学者が地球に関連した話題を中心として様々な話題を提供するブログです.
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ffa7fd9b.jpg 








前のブログで10万年後まで,放射性廃棄物を安全に保管するという話はシュールだと書いた.
3.11の大震災が1000年に1度の未曾有の大地震だったとしても,単純計算で10万年の間には100回起こることになる.
このスケールになると安全な管理なんてどう予測してよいか分からなくなる.

ところで,高レベルの放射性廃棄物が,自然に存在していた状態までもどるのには100万年かかるという.
ネアンデルタール人は20万年ほど前にこの地球上に出現して,現在は絶滅している.
そして,10万年後には,今の人類は存在していないかもしれない.

放射性廃棄物の管理は,この時間尺度で考えなければならないのだという.
これは途方も無い話だ!!!

拍手[2回]

PR


福島の原発震災以降,高レベル放射性廃棄物の処分についてもクローズアップされている.
高レベル放射性廃棄物は地層処分しかないと思う.

このDVDは,フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物の地層処分についてあつかったものである.
地震・火山等の活動の無い地域での地層処分は,現時点で考えられるもっとも合理的な方法だろう.

ただ,10万年後の人類が,処分場をどのように理解できるかについては,皆「?」である.
そもそも10万年後の人類がどのような人類でどんな生活をしているかなんてだれも想像ができない.
科学的なDVDであるにもかかわらず,この部分は実にシュールな感じがする.

いつも,このシュールな感じと不気味さが放射性廃棄物を考える時につくまとっているような気がしている.
人類は自分たちの手におえないものを作ってしまったのかもしれない・・・

拍手[2回]

d0dc04ea.JPG







大学構内の梅は見頃です.
まもなく本格的春がやってきそうです.

大学も年度末の仕事がほぼ終わり,新年度の準備がはじまっています.
このところ,やっと息をつける状態になりました.
4月の新学期に向けてエネルギーを蓄えなければと思っています.

ところで,昨日も余震が盛んに起こっています.
大きな地震がこないようにと願うばかりです.
地震と原発の問題は,これからが大切です.
福島原発については,徹底的な科学的な検証をすることがまず大切だと思います.
いろいろ情報は出るようには成ってきましたが,まだまだとても十分とは言えません.
また,新潟の地滑りも酷いものです.

どれも地球科学に関連した災害です.
専門家が,専門的な知識や技術をもって対応することは当然として,一般市民も地球科学について学ばなければならないと考えます.
自然災害について基礎的な知識を得ることは,自然災害への適切な対応のための第一歩です.
今こそ,高等学校の地学を必修科目にする方向で検討を開始する時期ではないでしょうか?
地学は,この日本列島で生き延びるための基本的リテラシーです.


拍手[2回]

昨日の朝日新聞夕刊.
京都,大阪,慶応の3大学で文理統合型の新たな大学院プログラムを導入するとのこと.
これは,博士課程リーディングプログラム事業の一つである.

理系の学生にも哲学や宗教を学ばせるプログラムで,将来,社会をリードする人材を育成することが目的と思われる.
私自身,このような人材は,社会の生長・成熟のために必要と考えていた.
例えば,理系でも,英語が話せるだけでなくシェークスピアも読みこなせる人材なんてのが必要だと思っていた.

ただ,こんな人材が教育プログラムで育つかどうかは,別の問題な気がしている.
個人の資質によるのではないかと思う.

文理融合型人材は,学部卒業生でも修士修了生でも,これからは必要となると信じている.
そんな中から,今回の震災からの復興だったり,ジオパークによる地域振興などに役立つ人材が育つのではないだろうか.

でも,まずは教員の側の意識改革が先かも・・・

拍手[1回]


ジオパークインタープリターの方におすすめの本である.
インタープリターの説明も,もっとも基本となる知識が確実な場合,迫力がでてくる.

全般でプレートテクトニクスの説明が,後半で具体的な山のできかたの解説がなされている.
日本列島の地質を理解するためには,プレートテクトニクスの理解が必須であるが,この本は丁寧にかつ分かり易く説明している.
古典的造山論から大陸移動説を経て,プレートテクトニクスへの発展という過程がきちんと説明されている.

日本列島はプレートの沈み込み帯の変動帯という点で特徴づけられる.
これを「板没する国」と表現しているところは,なかなか良い.

ただ,p20の地質時代区分の表に「第三紀」がのこっているのが,残念である.
国際的にも,日本でも第三紀は使わないことになっている.
この4月から使われる高等学校の教科書でも削除されている.
できの良い本だけに残念である.

拍手[0回]

カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[12/18 J.H]
[10/21 J.H]
[08/10 asM]
[06/29 幸田商店]
[04/16 鈴木]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
天野一男
性別:
男性
自己紹介:
☆茨城大学名誉教授
☆東京大学空間情報科学研究センター・客員研究員
☆日本大学文理学部自然科学研究所・上席研究員
☆一般社団法人日本地質学会理事,ジオパーク支援委員会・委員長, 
 技術者教育委員会・委員長
☆茨城県北ジオパーク推進協議会顧問
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
カウンター

Copyright © [ ジオフォーラム2010 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]