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市民地質学者が地球に関連した話題を中心として様々な話題を提供するブログです.
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 asMさん,コメントありがとうございました.

                ご質問への回答が遅れてしまい申し訳ありませんでした.



 




おっしゃる通り,ジオパークを成功させるためには,一般の方の理解を得ることが第一だと思います.
やっと最近NHKで放送されたり,「現代用語の基礎知識」に項目として取り上げられたりするようになりましたが,一般にはほとんど知られていないません.

このブログも,弱小ながらジオパークの普及に寄与したいと考えています.
今のところ,実験的に運営してきましたので,閲覧者は私の周辺の関係者が中心ですが,やっとGoogleやYahooの検索で,比較的上位に出てくるようになりました.
頑張りますので,皆様のご支援をお願いします.

さて,ご質問への回答です.

Q1:ジオパークってなんですか? 私が勝手に作った質問)

A1:貴重で美しい地質や地形といった自然遺産を保全するともに,観光資源として活用して,地域社会の活性化に役立てるための「大地の公園」.

2004年にユネスコの支援のもとに設立された世界ジオパークネットワーク(GGN)によって運動が展開されています.
現在では,ヨーロッパと中国を中心に世界19ヶ国,64ヶ所がGGNに加盟しています.

日本では,2009年に洞爺湖・有珠山,糸魚川,島原半島の3地域がGGNに加盟しました.
GGNに加盟するためには,GGNの基準を満たしていることを証明し認可されなければなりません.

ジオパークの運営は,地方自治体,公的機関,NPOなどによってなされる必要があります.
世界的には,さまざまな形態がありますが,日本は地方自治体が中心となって運営しているところが多いです.

Q2:公共土木工事との違い?

A2:基本的にジオパークは,すでにある自然を利用して観光事業や教育活動を展開しようという運動ですから,何かものを建造するという公共土木工事とは根本的に発想が異なっています.

どれだけ知恵を出せるかが,成功不成功の鍵になると思います.
地方自治体,住民,大学,研究所などが連携して,自分の持っている知的財産をどれだけ生かせるかが重要になってきます.

Q3:ナショナルトラストとの違い?

A3:ナショナルトラストは,ほっておくと維持が困難な貴重な自然や歴史的建造物などを保存することが,主目的です

それに対して,ジオパークは自然遺産の保全は当然のこととして,それらを有効活用して地域社会の活性化を目指そうという点が異なります.
もちろんナショナルトラストも,地域社会の活性化にはそれなりに役立っていると思います(私は湖水地域を訪れてみて,それを感じたことはありますが・・・).

ジオパークは,豊かな大地の自然を地域振興に積極的にいかすために地質観光(ジオツアー)を意識的に展開しようとしている点が特徴です.
人間の歴史や文化も足下の大地と密接に関係していることを意識している点も大きな特徴です.

ドイツのジオパークでは,おいしいワインが特定の地質のところで醸造されていることを強調して,そのジオパークの特徴としているところがあります.
これは地質と文化の融合といえるかもしれません.

少し長くなりましたので,今日のところはこの辺で・・・・

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しばらくの休止の後には,楽しい話題です.
こんなものが手に入りました!

皆さん, 国の天然記念物である玄武洞はご存知でしょうか?
玄武洞は兵庫県豊岡市にあり,玄武岩に発達した非常に綺麗な柱状節理を見ることができます.
玄武洞は,江戸時代後期に幕府の儒学者・柴野栗山がここを訪れた際,伝説上の動物玄武の姿に見えることから「玄武洞」と名付けられ,それが「玄武岩」と言う岩石名のもとになりました.

山陰海岸ジオパークの目玉の一つである玄武洞ですが,豊岡市にはこの玄武岩を基にしたゆるキャラが存在します.
玄武岩の玄さんです.この玄さん,なんとCDデビューもしています(写真).

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玄さんは山陰海岸ジオパークの世界ジオパークネットワークへの申請を行ったことを機に,PRの助っ人として作製されました.
登場当初から絶大な人気を誇り,今ではCDのみならず様々なグッズが販売されています.
ゆるキャラの人気は凄いですね!

玄さんの登場は地質学者としてとても嬉しいことです.
従来「地学」は専門家や一部のマニアのものでした.
それが,広く愛される“ゆるキャラ”になった.
これは「地学」がより多くの方々に愛され,支持されるようになった証拠でしょう.

ジオパークに関連した運動の中で,今後も様々な形で地学が支持されるようになることを願います.
茨城県でもゆるキャラ作らなきゃ!ヒタチナカリュウのひたっちとか・・・いかがでしょうか?
 

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昨日,9時から11時まで,実務家のI氏,M君,H君と4名で,ジオツアーについて意見交換.

I氏の主張:ジオツアーについての緊急の課題は,いかにビジネスとして成立させられるか・・・
この意見には,一同賛成.

一般の人に,露頭を使ってストーリーを理解させることは,極めて困難であることは,皆,実感としてもっている.

どうしたら,露頭から一般の人をも魅了するようなストーリーが展開できるのか?
かなり巧みな演出が必要である.
日常的な世界の中に非日常の世界を,どう取り込むか?
この辺に鍵がありそうな気がする.

2月26日のブログ(ディズニーランドでの結婚式・・・)を思い出した.





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 はじめまして,天野研究室D3の松原です.先日世界ジオパークのひとつ,糸魚川ジオパークに行ってきました!と言うことで簡単に訪問の様子をお伝えします.

 糸魚川ジオパークは「ジオパーク」と言う名が浸透し始めるずっと前からジオパーク運動を行ってきた“元祖ジオパーク”的な,日本におけるジオパークの聖地とも言える場所です.そして日本人なら誰もがあこがれる冬の日本海!

 では早速.まずは親不知ジオサイトへ.親不知はかつて交通,そして鉄道の難所であったと言う話を小学生のとき聞いて以来,ずっと憧れていた地です.まずは荒々しい海岸線を見て思わずため息.美しい・・・.
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昔の旅人は,この海岸を波のタイミングを図りながら行き来したと言う・・・いや,私には無理です.

 道の駅 親不知ピアパークに行くと・・・ありました.親不知ジオサイトの看板です.
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 なんとこの看板,実物の石がはめ込んであり,海岸で翡翠探しをするときの大きな味方になってくれます.
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ナイスアイデア!これは茨城県北ジオサイトでも採用かな.で,見本を頼りに海岸線を翡翠探し.それっぽいのをいくつか観察して満足し,フォッサマグナミュージアムへ.

 糸魚川市街に入るとあちこちに「世界ジオパークのまち糸魚川」ののぼりが.
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市全体が盛りあがっています!

 フォッサマグナミュージアムはとってもお洒落で近代的.地学マニア以外でも楽しめます.デートコースとしてもばっちり!(http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/

 館内を見て回っていると・・・なになに24ジオサイトのライスボウル?
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ちょうど昼飯時.その中の一つを食べてみることに.

 漁師の寿司屋 漁場 傳兵さんの海谷渓谷ジオサイト丼ぶり「漁師の海鮮丼」です.
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見てください.このボリューム!鰤なんか身の厚さが2cm近くあるんじゃないかって凄さ!そしてうまい!これで満足しない人はいないでしょう!当然私は大満足!

 そしてさらに驚いたのが,店主さんや店員さん,お客さんが普通にジオパークを話題に話をしていたこと.市民の皆さんにここまでジオパークが浸透しているとは!皆さんの郷土愛を感じさせていただきました.

 さてさて,お腹も一杯になったところでもう一つの目的,ジオ鉄だ!と言うことで姫川渓谷ジオサイトへ.

 実は,姫川渓谷ジオサイトを走る大糸線では,どことなく郷愁を誘い多くの人から愛された勾配区間用2エンジン気動車のキハ52が現役で運転しています.しかし,経年から来る老朽化のため平成22年3月13日を最後に引退することになってしまいました.というわけで,その勇姿を目に焼き付けるぞ!ついでに写真も撮るぞ!と勇んで南下.数名の鉄道ファンとともに待っていると・・・来ました!姫川渓谷にかかる橋を渡るキハ52.
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何も言葉が出てきません.これもジオパークの楽しみ方の一つです.

 ちなみに,茨城県北にはひたちなか海浜鉄道があります.ここではキハ2000形やキハ20型,キハ22型等の貴重な車両が現役で運行しております(http://www.hitachinaka-rail.co.jp/).これら車両に乗って太古の地層「白亜紀層」を訪れるなんてのも乙なものじゃないでしょうか.
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 地質観光まっぷのダウンロードはこちらから(http://sites.google.com/site/geonavipj/map).

以上駆け足でしたが糸魚川ジオパーク探訪の報告でした.

(松原)

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 おくればせながら,2月24日の茨城県北ジオパーク推進協議会で提案されたアイデアをメモっておきます.
大変,有益な提案です.
運営委員会において,今後,具体化に向けて検討していきたいと考えています.

①参加市町村において,情報発信のための共通のコンテンツを持つ.
②インタープリターになる人が,自ら地質観光マップを作成する.
③インタープリターの資格については,更新制をとる.
④自治体への学生の協力体制をつくる.
⑤韓国との連携を強めて,ジオパークの実現に向けて,協力しあう.特に,茨城空港の利用と関連させて.

ジオパークの実現に向けたアイデアは,このブログにもどんどん掲載していきます.
ご提案がある場合は,どんどんコメントをください.




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プロフィール
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天野一男
性別:
男性
自己紹介:
☆茨城大学名誉教授
☆東京大学空間情報科学研究センター・客員研究員
☆日本大学文理学部自然科学研究所・上席研究員
☆一般社団法人日本地質学会理事,ジオパーク支援委員会・委員長, 
 技術者教育委員会・委員長
☆茨城県北ジオパーク推進協議会顧問
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