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市民地質学者が地球に関連した話題を中心として様々な話題を提供するブログです.
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「図書」7月号の小嶋 稔氏の記事。

3.11の原発事故の直後にウランの核分裂連鎖反応の再臨界が起きる可能性があった。
それが、たまたま海水の注入により海水中の塩素35による中性子の吸収により防がれた。
まったくの偶然に助けられた。

この報告が昨年の経済産業省での「福島第一原子力発電所事故に関する技術ワークショップ」で報告されていたとのこと。
一般にはほとんど知られていないが、事はかなり重大な事態に達していた。

これを読んで、ゾッとするのは私だけではあるまい。

福島第一原発一号炉のメルトダウンしたデブリが、アフリカの「オクロ天然原子炉」にならないよう対応を考えたいと、氏は結んでいる。
地球科学に携わる者が考えなければならない重要な課題だと思う。

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昨日の、茨城県北ジオパーク・インタープリター養成講座の総合討論の場で、ジオパークにおける活断層の取扱い方について質問がでた。
ジオパークを自然災害を学ぶ場にしようという、最近の動きからすると活断層についてもいずれ取り扱わざるを得ないかもしれない。

しかし、活断層は原発の立地、再開などとも関連して極めてセンシティーブなテーマである。
原子力規制委員会においても委員により異なった判断がなされていることも報道されている。
学術的に明確な結論がでるまでは、活断層についてはジオパークでは言及すべきでは無いというのが、現時点での私の結論である。
昨日質問された方にもそのように答えた。

ただ、活断層について、その定義、認定基準、解析方法、活動予測などについて、一般市民に理解できる形では知らされていないのが現状ではないだろうか。
専門家は、現時点で確実に言えること、解析の限界などについて市民に対する一層の解説を行う義務があると思う。

全国的な規模で、活断層の調査が展開されることも重要であるが、地域ごとの詳細な調査も不可欠である。
そのためには、地方大学、地方の博物官、調査研究機関に所属する専門家による地域地質の徹底的な調査が有効となるものと思う。
地方にある専門家の意識の向上と、それなりの予算措置も必要であろう。

その地域の地質(大地の体質)ならば何でもしっている『家庭医』的専門家の必要性を強く感じている。

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あるニュースショーで原発再稼働について話されていた.
「科学的に安全であると証明されてから,政治判断すべきではないか.」
ーーーその通りだと思った.

「でも,一般の人に信用してもらえる科学者が見つからない!」(正確ではないがこんな意味だったと思う)
ーーーこれはショック!!!

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前のブログで10万年後まで,放射性廃棄物を安全に保管するという話はシュールだと書いた.
3.11の大震災が1000年に1度の未曾有の大地震だったとしても,単純計算で10万年の間には100回起こることになる.
このスケールになると安全な管理なんてどう予測してよいか分からなくなる.

ところで,高レベルの放射性廃棄物が,自然に存在していた状態までもどるのには100万年かかるという.
ネアンデルタール人は20万年ほど前にこの地球上に出現して,現在は絶滅している.
そして,10万年後には,今の人類は存在していないかもしれない.

放射性廃棄物の管理は,この時間尺度で考えなければならないのだという.
これは途方も無い話だ!!!

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福島の原発震災以降,高レベル放射性廃棄物の処分についてもクローズアップされている.
高レベル放射性廃棄物は地層処分しかないと思う.

このDVDは,フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物の地層処分についてあつかったものである.
地震・火山等の活動の無い地域での地層処分は,現時点で考えられるもっとも合理的な方法だろう.

ただ,10万年後の人類が,処分場をどのように理解できるかについては,皆「?」である.
そもそも10万年後の人類がどのような人類でどんな生活をしているかなんてだれも想像ができない.
科学的なDVDであるにもかかわらず,この部分は実にシュールな感じがする.

いつも,このシュールな感じと不気味さが放射性廃棄物を考える時につくまとっているような気がしている.
人類は自分たちの手におえないものを作ってしまったのかもしれない・・・

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プロフィール
HN:
天野一男
性別:
男性
自己紹介:
☆茨城大学名誉教授
☆東京大学空間情報科学研究センター・客員研究員
☆日本大学文理学部自然科学研究所・上席研究員
☆一般社団法人日本地質学会理事,ジオパーク支援委員会・委員長, 
 技術者教育委員会・委員長
☆茨城県北ジオパーク推進協議会顧問
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