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身の毛もよだつような恐ろしい本である.

福島第一原発事故の推移と,事故の際に政治家,官僚,学者,企業,民間などが,どう判断しどう対応したかを「民間事故調報告書」を初め,国会事故調,政府事故調報告書を参考にし,著者による関係者への直接インタビューに基づいて,客観的にまとめられたものである.上,下2巻よりなり,総ページ数が950ページにもおよぶ膨大な本であるが,日本国民必読の書である.

この本を読み終わったときの率直な感想.あの事故がもう少し大きければ,日本は壊滅したかもしれない.事故そのものの重大さに加え,日本における危機管理システムが機能しなかったことが分かると,ゾッとするのは私だけではなかろう.危機管理システムにいたっては,機能しなかったというよりは,もともと存在していなかったと判断できるかもしれない.

福島第一原発事故は,まだ終結したわけではなく,これから何年続くかわからないし,原発事故にかぎらず,この種の重大事故は今後も起こる可能性は大きい.それらから市民を守るためには,どうしたらよいかを考えるためにも,本書の提示している事実は重大である.

首都圏直下型地震,富士山の噴火,西日本大震災など,近々起こっても不思議でない状況の中で,重大事故,重大自然災害に対応するまともに機能しうる危機管理システムの構築が必至であることを本書は示している.日本を壊滅から守るために.

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プロフィール
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天野一男
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男性
自己紹介:
☆茨城大学名誉教授
☆東京大学空間情報科学研究センター・客員研究員
☆日本大学文理学部自然科学研究所・上席研究員
☆一般社団法人日本地質学会理事,ジオパーク支援委員会・委員長, 
 技術者教育委員会・委員長
☆茨城県北ジオパーク推進協議会顧問
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