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市民地質学者が地球に関連した話題を提供するブログです.
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増田寛也編著:地方消滅−東京一局集中が招く人工急減−.中公新書2282, 243pp.ISBN978-4-12-102282-0

  

 大学生協書籍部で新書・文庫ベストセラーになっていたのを見て購入した.衝撃的な表題にひかれたこともある.帯には「
896の市町村が消える前に何をなすべきか」とある.
 2010年の国勢調査による全国の人口分布を基準にして2090年までの人口の推移をシュミレーションし,その結果をもとに将来予測したものである.巻末に全国市町村別の状来推計人口の一覧が載せられているのが特徴である.ここには2040年における,各市町村の総人口と若年女性(2039歳)の推計値がのせられている.
 
日本全体としての推移の特徴は,総数は一定の割合で減少し,2040年には2010年の人口の45パーセントになる.一方,2040年までは65歳以上の人口は,131パーセントまで増加するが,その後減少を開始し,最終的に80パーセントになる.2040年以降は若年人口のみならず老年人口も減ることになる.本格的な人口減少開始の時期が2040年と指摘している.
 人口減少による地域の落ち込みを避けるためには,2040年までには何らかの手がうたれなければ,破滅への道を歩むことになるという衝撃的な指摘がなされている. 
 茨城県を見ると,県北地域を中心として深刻な状況になる.茨城県では,県北地域の振興が重要な課題であることは,多くの人々に認識され,様々な手が打たれはじめているが,必ずしも有効な手段が見つかっていないように思う.本書を読んで,今こそ真剣に考えなければならない時期であることを強く感じた.地域振興を考える人に一読をすすめる.

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 最近,昔読んだ本を再読するセンチメンタルジャー,ニー読書を時々する.年末に伊豆の温泉宿で,閑にまかせて芥川の「江南の扇」を読み直した.

 高校時代読んだものの中で,気持ちのどこかに引っかかったものの一つに「江南の扇」がある.断首された土匪の血をしみこませたビスケットを,その土匪のもと情婦に食べさせるというややグロテスクな内容の小説である.きめが,その情婦の同僚がもと情婦がビスケットを食べようとする時に,主人公の手を力を込めて握るというところ.

 高校時代,この部分に同意しつつもやや違和感を覚えた記憶が残っていて,気になっていた.芥川の小説の中では,「ひょっとこ」,「手巾」が同じ同じおちになっている.

 これは観念論だというのが,現在の自分の結論である.芥川の小説のいくつかが観念論的なことをかなり前から感じてきていた.歳をとると,芸術に対する感覚も変わってくる.今回,ウィキベディアで芥川が自殺する直前に秘書と心中未遂をしていることを知り,人間芥川を知ることができたような気がする.歳と共に,私自身の価値観も変わっているのだと思う一つの出来事であった.これからは,芥川はもう読まないと思う.

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レヴィ・ストロースの「悲しき熱帯」,3度目の読書.
一回目は大学1年生の時だったような気がするが,記憶が定かで無い.

下記のような過激な記述があった.
今までは読み飛ばしていたが,今回初めて気がついた.
1955年に出版された本に,こんなことが既に書いてあった!!!

『西洋文明の生んだ最も高名な作品ー窺い知ることのできない複雑さで,さまざまな構造が入念に組み合わされている原子炉ーの場合のように,西洋の秩序と調和は,今日地上を汚している夥しい量にのぼる呪われた副産物の排泄を必要とするものなのである.』
悲しき熱帯(上)川田順造訳p.51.

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茨城県の平磯海岸でひろった,穿孔貝による穴が沢山あいている砂岩である.
この穴に息を上手く吹き込んでやると音がでる.
私は,この種の岩石を見つけると,必ず吹いてみる.
吹く度に,古代人の石笛というのは,こんなものだったかもしれないと思っていた.

最近読んだ本に面白いことが書いてあった.
縄文時代の石笛には穴が2つしかなく,2つの音だけがでるのだそうだ.
そして,その音の間隔は4度になっている.
この4度の音程が,世界の民族音楽の音階の柱となっている.
マーラーの交響曲1番のモチーフがこの4度の音階だとのこと.
第一番のユニークさが,ここにあるという.
ところで,この交響曲の中では郭公も,4度の音程差で鳴いている.
ちなみに,ベートーベンの田園では,郭公は3度で鳴いている.

こんな話も,ジオサイトでの説明に加えられれば面白いかもしれない.
参考文献:柴田南雄(1984)グスタフ・マーラー.岩波新書,208pp.


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TIMEの9月1日号のカバーストーリーは福島第一原発の記事。
表紙の「HOW THE FUKUSHIMA CATASTROPHE HAS REVEALED THE CRACS IN JAPANESE SOCIETY」は鋭い指摘だと思う。
福島第一原発については,安定状態とはほど遠いという内容の記事である。
にも関わらず,どうして東京オリンピックなのかという問いかけも厳しい。

太田昌克:日米〈核〉同盟−原爆,核の傘,フクシマ(岩波新書)も併せて読むと,日本が現在おかれている状況が見えてきてゾッとする。
原発を続けるにしてもやめるにしても,使用済み核燃料再処理という重大な問題がある。
そして,再処理を軸とした軽水炉サイクル事業は,簡単にはやめられないという。
それは「かっぱえびせん」のように「やめられない,とまらない」というのである。
このような事実は,国民一人一人が知っていなければならないことだと思う。

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☆茨城大学理学部:教授
☆茨城県北ジオパーク推進協議会・運営委員会:委員長
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